|
||
雌雄異株。和名はトビラの転訛。節分にこれを扉に挟み鬼を払うことにちなむ。 東北地方より西に、四国、九州、琉球列島、および朝鮮半島南部、台湾、中国に分布。 海岸に自生し、生垣や庭木としても栽植される常緑低木。 生長すれば、高さ2〜3mほどとなり。葉は厚く光沢があり、密生して生える。 花は晩春に咲き、白色から黄色になり径1〜1.5cm、 6月に花が咲き白から黄色に変わってゆく。 果実は直径1cm程度の球形で、熟すと三つに裂けて赤い種子を出す。 花には芳香があるものの、葉、根、枝に悪臭がある。 この悪臭は疫鬼を防ぐといわれ、門扉に枝をさす。そこから、トビラノキと呼ばれたものが転じてトベラになった。 『和漢三才図絵』(1713)に、「除夜これを門扉に挿せば能く疫鬼を辟く。ゆえに扉木と名づく」とある。 海岸の岩壁上などに自生していることから、、乾燥や潮風に強い。 植栽のデザインをする際に、派手な主役になる樹木だけではなく、トベラのような渋い脇役も必要となることは知っておきたいもの。また耐陰性を生かして、陽の当たらない庭にはぜひ利用したい木でもある。 |
||