ナンテン
メギ科 
常緑低木
別名:
英名: 
中国名: 南天燭、南天竹
原産地:中国
関東の南部から西にかけて、中国やインドなどの温帯に分布する。
日当たりの良い山地に自生している。
中国原産であるが、いつの時代に日本に渡来したかは定かではない。ナンテンは、中国名で南天燭や南天竹といい、これの音読みから名づけられようである。
また、「難を転ずる」と言い。邪気をはらうために、門口や玄関廻りに植栽され、不浄を清めるとして、手水鉢や便所近くに植栽したと言われる。お祝い事などで赤飯を配るようなときは、まだ熱い赤飯の上にナンテンの葉をのせる風習がある。
こうすることで、赤飯の腐敗を防ぐ効果が期待できる。熱い赤飯の上にナンテンの葉を乗せると、解毒作用のあるチアン水素が発生する。チアン水素は猛毒であるが、量がわずかなので危険はない。その葉だけではなく、樹皮にも防虫・防腐効果の成分を含む。昔の人は経験でナンテンの特性を知ったのであろう。
ナンテンは育つと2m以内程度だが、中には3〜4mまでなるものもある。材は黄色で心材と辺材の区別ない。質感は緻密で堅硬。銘木として、皮肌を生かした床柱、壁止めなどにも使用される。
花は6月ごろに小さな白い弁花を多数つける。
秋に紅葉し、秋から冬にかけて果実が赤く熟してゆく。この果実には、アルカロイドのドメスチンが含まれている。咳止めの作用があり、扁桃腺のうがい薬としても使われる。
ナンテンの葉を入浴剤として使えば湿疹やかぶれに効く。
食餌木でオナガ、ツグミ、ヒヨドリ、ムクドリなどがその実を食べる。
縁起木でもあり難を転ずるという名称から、庭に植えるだけではなく、赤飯の折り詰めに葉を添えて贈ることも行われている。
野山で見るナンテンは、庭園に植えられていたものが野生化したものと考えられる。
手入れのポイントは 日陰に強いので、家の北側によく使われるが、伸びすぎた枝は傾いたり倒れたりするため、切戻すか根元から切取るが、ほとんど剪定は必要としない。生垣とした場合にも、刈込まず、頭を軽くそろえる程度に浅く切戻す。
 

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