まゆみ 真弓
ニシキギ科ニシキギ属。
落葉低木または小高木。
別名:檀の木、真弓、ユミギ山錦木(ヤマニシキギ)、カワクマツヅラ。
英名: 
中国名: 
原産地:
 雌雄異株。 北海道から九州、および朝鮮半島、樺太(からふと)に分布する。
もともとは庭木としてはあまり使われない木であったが、自然風の庭にはよく似合う。
花は葉の緑色と重なってわかりにくいが、初夏に白っぽい緑色の花が集散花序につく。
「山錦木」の名があるように紅葉と実が美しい。秋に四角形の実が熟すと外皮が四つに裂けて中からまっ赤な皮を被った種子を露出する。実を鈴成りに垂れ下げたマユミは、遠くから眺めると赤い花が咲いているように見える。紅葉した葉が散っても、実はかなり遅くまで枝に残っているのでよく目立つ。実はキジバト、ツグミ、ヒヨドリたちの恰好な食べ物となり、種をあっちこっちに広げてくれる。
名前の由来は「まことの弓の木」の略が通説だが、他に丸木のまま弓に使用していたので、「丸木弓」と呼んでいたのが訛ってマユミになった。果実が熟して割れ、中から赤い種子がぶらぶら下がる様子が繭に似ているので、マユ(繭)ミ(実)という、などの説もある。
本によっては「若芽をゆでて食用にする」とか、「葉・実を食すると吐気・下痢症状を起す」とする本もある、私は食した事がないので何とも言えないが、注意は必要だろう。
マユミの木の皮を原料として漉(す)いたといわれる真弓紙(まゆみがみ)というのがある。平安期では、朝廷・幕府の高級公用紙で、公家の男たちは懐紙として愛用し、幕末まで宮廷や幕府の御用紙として、現在は儀式・包装用に使われる。『正倉院文書』にも記載されているが、檀紙とも混同され、実体はわからない。マユミの繊維は紙の原料には適さないため、楮などに混入して漉いたのかもしれない。
『大言海』や、『 日本の紙』(寿岳文章著)では、天平の昔はマユミ、のちにはコウゾを原料とする説をとっている。新井白石のトネリコ説もある。
繭紙とも言われるが、原料が繭という意味ではなく、紙肌が繭のように縮緬皺があり美しい紙という意味である。そして「繭のように」は、「まゆ・み」から、真弓、檀の字をあてたとも考えられる。
 材は色が白いのと、ねばりの上に緻密で狂いが少ないため、へら、杓子、櫛、版木や弓、花矢、木釘、こけし、太鼓のバチや将棋の駒などに利用する。古くから関東ではケヤキ、中部ではアズサ、関西ではマユミが弓の材料に使われていた。
海外のセイヨウマユミは紡錘(spindleスピンドル)や、焼き串や楽器の材料に利用。アイルランドでは靴職人が目釘として利用したので、peg-woodという名前で知られている。

 玄関前から飛石を伝って ウッドデッキ 沿いに廻ると、シイやモッコク、モチなどが植えられた庭が広がっていた。 ウッドデッキ 設置のため奥行はさほどないものの間口は広く、樹木の手入れも行き届いている。時代を経た灯籠が一基植込みに半ば隠れて見える、 ウッドデッキ のある景色がよくマッチする。緑の濃い庭の中で、灯籠の脇から枝を伸ばしたマユミが、枝にびっしりと紅熟した実を下げているのがひときわ目を引く。庭木としては木ぶりに野趣があるものの、それが好まれて紅一点、晩秋の気配を伝えている。
 



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