カリン  花梨 
バラ科ボケ属
小高木から高木の落葉樹木
別名:花梨、花欄(カリン)、榠(カリン)、別名花欄、唐梨(からなし)、花梨木(くわりぼく)、安蘭樹(アンランジュ)、あんらくか、きぼけ
英名:Chinese Quince 
中国名:棋櫨、
原産地:中国
原産は中国で湖北省、浙省江に野生しており、現在は日本や朝鮮半島、アメリカ、フランスなどでも栽培。6〜〜12mぐらいに生育し古木で太いものは直径30cmを超える。
1993年10月からのNHKの連続テレビ小説の題名で知られるようになったが、画面に現れたは白い花のマルメロだった。現在でも諏訪地方はカリンと呼ぶのはマルメロのことだ。マルメロもカリンといわれるが、これはペルシャ、トルキスタン地方原産で、同じように香りがよいので、砂糖漬け、ジャム、シロップ、ゼリーなどに使われている。カリンもマルメロも果実酒にすると、綺麗な黄色を帯びた琥珀色となるが、2週間以上果肉の部分を入れておくと、タンニンがでて、味も色も悪くなる。
樹皮は毎年剥脱し、幹に青褐色の雲紋を現す。春に淡紅色の五弁の花を開く。花つきが少いので見栄えはしない、サクラのような華やかさはない。秋に黄色の長円形の10cmから15cmの大果が樹上に多数着生して見事である。材は辺材は淡赤色、心材は暗紅褐色。緻密で光沢があり、高級家具や床材などに用いられる。高級装飾をほどこす彫刻、杖、額縁、傘の柄などを作るのに向いている。ただし三味線の胴や棹はこのカリンではなく唐木のカリンである。このように樹木で名が通っているカリンと、高級木材のカリンとは、しばしば混同される、私はウッドクラフトの流通をベンチャー的に始めたが、ウッドクラフトのポイントによくカリンが使われる。樹木のカリンを知るまでは、私もクラフトのカリンがなぜ身近に育っているのかわからなかった。
果実は堅くて酸味と渋味が強く、生食には適さないが、カリン酒や煮て砂糖漬けにして食し、また、薄切にして蔭干ししたものは、百日咳や痰切りの妙薬である。2005年1月の信濃毎日新聞の記事で、カリンやマルメロがインフルエンザの働きを抑制したり、胃潰瘍の発生を防ぐ効果があることを信州大学で突き止めたと報じていた。
果実を室内に置くと、香りがとてもいい。季節になると会社敷地にあるものを枝から折って、事務所内に置いた。
庭園樹として日本庭園にもよくマッチする。豊中の家にも二本、かりんの木があって、父は近所の喘息に悩んでいる人から、その実を予約されていて喜んでいた。
熊本市に「加勢以多(かせいた)」というおいしいお菓子が販売されている。もち粉でできた甘い皮に、甘酸っぱいゼリー入っていてカリンのお菓子と思われいてるが、これはマルメロを使ったお菓子である。
室生犀星の小説に「杏っ子」というのがある。女性を愛する作家の自伝的小説とも思って読んだが、同じ娘をもつ父親としては、犀星ほど割り切れないのは、現代では私だけではないだろう。





  
 

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