やまぶき 山吹
バラ科ヤマブキ属
落葉低木
別名:
英名: 
中国名: 
原産地:
北海道から九州まで、および中国に分布する山地の谷川沿いなどの湿り気の多い場所に生える落葉低木。樹形は逆傘形で樹高:1〜2mの落葉低木。葉は互生し卵形。4-5月に 鮮黄色の五弁の花を枝に並べてつける。ときに庭に植裁される。
和名山吹(やまぶき)の語源は山振という。枝が弱々しく風のまにまに吹かれてゆれやすいことを表す。

ヤマブキとなると、どうしても太田道灌の有名な故事があるてしまう。後に江戸城をつくった室町後期の武将だが、ある日鷹狩りの帰りに雨に降られ、山間の民家で雨具を貸してくれるよう頼んだ。だが、出てきた娘は黙ってヤマブキの花をひと枝差し出した。どういうことかと、いぶかしがって帰ると家来の一人が教えてくれた。後拾遺和歌集に「七重八重花は咲けども山吹の 実のひとつだになきぞ悲しき」という歌がある。娘はこの「実の」と雨具の「蓑(みの)」をかけて、蓑のひとつもありませんと断ったのだと。ちなみに、ヤマブキには実がつくが、八重のヤマブキには成らないのだという。いずれにせよ道灌はこれで自らの無学を恥じ、歌の道に精進し歌人としても知られるようになった。江戸の市民はこの話がよほど気に入ったのか『道灌』という落語にして楽しんだのだ。サンケイ新聞産経抄より
手入れポイントとしては枝先がしなった柔らかい自然樹形を生かし古い枝を根元から切取り、間引いて透かすようにする。特に太くて生長力の強い枝は、若枝でも抜き切りにすると樹形が乱れない。
ヤマブキの枝は、表面が緑色で芯には白色の髄が通っており、この髄が夜店などで売られるヤマブキデッポウの弾として利用された。

山吹や 井出を流るる 鉋屑与謝蕪村
山吹に ぶらりと牛の ふぐりかな一茶
山吹の ほどけかかるや 水の幅加賀千代女
 

ウッドデッキ と四季の樹木(home)に戻る