生垣・バリヤー


■目隠し・境界に向く木・風をさえぎる木




生垣はその目的によって植える樹木や刈込む高さが異なってきます。1m以下では、縁取りや人止め、1〜2mでは垣根、目隠し、2m〜6mでは、目隠し、防風などです。家の周囲にまわす生垣は密な枝葉を持った樹木を用いることが普通ですが、庭内の目隠し等に用いる場合は、花や実の楽しめる樹木を用いるのも良いものです。
目的にかなった高さを決め、樹種選びと刈込み作業を楽しみましょう。刺があったり、枝葉が密生していて、人や動物を寄せつけないほどの堅固な生垣は、バリヤーと呼び、侵入を禁止したい場所の生垣とします。


サザンカの垣根
色どり豊かな葉


■葉はグリーンとは限りません




色どり豊かで美しい葉は、秋の紅・黄葉ばかりとは限りません。新葉が赤や黄色で美しいもの、黄緑色や青白色の葉をつける針葉樹(コニファー)、白や黄色の斑の入ったものなどがあります。これらの樹木は、花の少ない季節でも庭のアクセントとして最適です。


ナナカマド


アオキ

記念樹向きの木


■季節の訪れのたびに、想い出をあらたに




 誕生、入学、卒業、結婚など人生のメモリアルを象徴させる木は、学校など公共用地に植える場合と、一般家庭で植える場合では樹種の選び方が違います。公共用地では、比較的大きくなる木や珍しい木、ゆかりのある木。一般家庭では、小高木くらい
で花や実の楽しめるものや寿命の長いものなどが適しています。


サルスベリ


カリン

芳香のある木


■花や葉の香りを楽しむ




春まだ浅い2月にほのかに香るウメの花、梅雨のうっとうしさをやわらげるクチナシの香り。季節の移り変わりを伝えてくれる芳香木は、美しい花をつける木におとらず味わい深いものです。 また、芳香木の花や葉、枝などを乾燥させ、ハーブやスパイスと混ぜ、匂い袋やピロケースなどに詰めて香りを楽しむ〈ポプリ〉は、人気があります。


クチナシ


ウメ
エスパリエに向く木


■フェンスや壁面を楽しく演出




エスパリエとは、狭い庭で果樹を楽しむための方法ですが、現在は花木やむ常緑樹の新しい楽しみ方として人気があります。
 作り方は、樹木を壁やフェンスなどに沿わせ、平らになるよう刈込んで仕上げます。あまり大きくならないもの、非常に成長が早く刈込に耐えるものが最適です。自然樹形を生かした刈込、装飾的な刈込、フェンス風な刈込などの方法で、狭い庭を立体的に活用できます。


サザンカ
仕立てもの


オリジナルな庭の演出を楽しむ




 仕立てものの一つで、トピアリーが最近人気を集めています。これは、枝葉が細かく密につき、刈込に耐える樹木を使って、動物やマンガの主人公など楽しい形に仕立てあげたものをさします。一般には金網や針金でおおまかな形をつくり、それにつる植物をからませます。その他にスタンダード仕立てといって、バラ類などをパラソル状に美しく形づくる方法があります。



雌雄異株の木


■ 利用目的に応じて、雌・雄をえらぶ




キウイは、雄木と雌木の2本を植えなければ実がなりませんが、このように雄と雌が別々の木になっているものを雌雄異株といいます。美しい果実や種子を観賞し、また食用にする場合、あるいは野鳥を庭に呼び寄せたい時は実がなる雌木のほうを選びます。イチョウ、ヤナギ類、ポプラ類は、雌木は樹形が横に張り、雄木はまっすぐ立って巨大に育つ傾向があるので、庭木として植える際には、生長した場合を考えて株を選択することも大切です。目的に応じて雌雄どちらかの枝を挿木するか、または接木して殖やします。雌雄異株に外来種のうち、ハクチョウゲやキンモクセイは雄木だけしか日本には導入されていません。また、ジンチョウゲは、まれに赤い実を結ぶ雌木を見かけることがありますが、ほとんどの株は雄。


ヤマモモの実(雌)


ヤヤモモの雄花

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